簿記

ゼロから始める簿記勉強:勘定科目『借方』

前回の仕訳の中で勘定科目を覚える事が大切であると分かったと思います。

借方の勘定科目はどんなものがあるのか

増加(発生)した場合『借方』へ記録。

要素は『資産』『費用』この2つです。

要素ごとの勘定科目を見ていきましょう。

資産とは

資産とは、企業の所有している『物』や『権利(債権)』の事です。

物は色々と想像できるのではないでしょうか?

例えば、現金や会社の建物、車、デスクやパソコン等々

これは非常に分かり易く、資産と言われるとこういった『物』をイメージする人がほとんどではないでしょうか。

では『権利(債権)』とはいったいなんでしょうか?

簡単に言えば物やお金をもらう(請求する)権利の事です。

どんなものがあるかというと

『貸付金』などの貸したお金=後々返ってくる(返してもらえる)権利

『売掛金』などの掛け払い(ツケ払い)のお金=これも後々請求(回収)できる権利

今現在は手元にはないが、後々企業が請求できる(回収)できる権利の事を債権と言います。

資産の勘定科目一覧

それでは資産に属する勘定科目を見ていきましょう。※簿記検定3級の出題範囲を参考にしています。

勘定科目内容
現金硬貨や紙幣といった通貨。通貨代用証券。
小口現金日々の少額支払で使用するために会計係から用度係に渡される現金。
普通預金現金の預入、引出しを自由に行える銀行預金。利息がつく。
定期預金一定期間現金の引出しを出来ない期限付きの銀行預金。普通預金よりも利息の条件が良い。
当座預金銀行との預金契約の一つ。手形や小切手を発行するための預金。利息はつかない。
受取手形約束手形で代金の支払を受けたときに使用。
売掛金『商品の売上代金』を後で受け取るときに使用。「掛けで売ったお金」
クレジット売掛金クレジットカードでの売掛金に使用。代金は信販会社が立替。手数料が発生する。
電子記録債権売掛金や手形が電子化されたもの。電子債権記録機関と通して取引が行なわれる。
繰越商品期末に残っていて次期に繰越される商品。
差入保証金債務者が債権者に対して取引や賃貸借の契約の履行を担保するために差し入れる現金。敷金。
貯蔵品決算整理の時に換金性の高いもの(切手、収入印紙)を振り替える為の勘定科目。
貸付金他社へ貸し付けたお金。
役員貸付金自社の役員へ貸し付けたお金。
従業員貸付金自社の従業員へ貸し付けたお金。
手形貸付金手形を発行して貸し付けたお金。
未収入金『商品以外の代金』を後で受け取るときに使用。
前払金手付金。商品を後々受け取る事のできる権利。
受取商品券商品券で代金の支払を受けた時に使用。
立替金お金を立て替えた時に使用。後々お金を回収できる権利。
仮払金支払内容、金額が未確定な時、一時的に使用する。後々該当の科目へ仕訳を行う。
仮払法人税仮決算をおこない、中間申告によって支払う法人税。
仮払消費税税抜方式で支払った消費税を処理する時に使用。
前払費用サービス等を受けてはいないが支払っている費用。一定期間分の保険料など、受ける権利。
未収収益『商品以外の継続的なサービス等の代金』を後で受け取る時に使用。
建物事務所や倉庫などの所有する建物。
土地事務所や倉庫などの敷地、所有する土地。
車両運搬具営業活動に使用する乗用車や、トラックなどの車両。
備品耐用年数1年以上、もしくは取得原価10万円位以上の備品。
商品販売する事を目的として仕入れた物品。

費用とは

費用とは利益を得る為にかかった経費の事をいいます。

社員に支払う給料や事務所の家賃、ガス代、水道代、電気代。

なんとなくイメージのできる物が多い勘定科目かもしれません。

費用の勘定科目を見ていきましょう。

費用の勘定科目一覧

勘定科目内容
仕入『商品』の仕入れにかかった費用。その付随費用。
給料社員に支払う給料。
法定福利費雇用保険料や厚生年金保険料などの社会保険料の『会社負担分』
広告宣伝費ホームページやチラシなど、広告費や宣伝費。
旅費交通費出張やなどの交通費、ホテル代等。
水道光熱費電気代、ガス代、水道代等。
消耗品費鉛筆、ノートなどの消耗品。『備品』とは区別される。
発送費物品の発送にかかる費用。
通信費電話代や切手代ハガキなどの通信に関わる費用。
租税公課経費で計上できる税金。自動車税や固定資産税、収入印紙など。
貸倒損失売掛金や貸付金、未収入金等の債権が相手の倒産などによって回収できない時に使用。
貸倒引当金期末時の債権の残高に対して、次期の貸倒れの可能性を見積り設定する費用。
貸倒引当金繰入貸倒引当金を繰り入れる場合に使用する。
減価償却費時間の経過と共に価値の下がっていく固定資産の原価の減少金額。
保険料保険料の支払時に発生。
支払地代土地代の支払費用。
支払家賃家賃の支払費用。
支払手数料振込手数料などの手数料。
雑損決算事に不明な現金過不足の『借方残高』実際の現金<帳簿の残高。
雑費他の勘定科目に分類する事が出来ない費用。
固定資産売却損固定資産を簿価よりも低い値段で売却した際の損額。固定資産の簿価>売却額。
売上原価当期に売れた商品の仕入値。『期首繰越商品』+『当期仕入高』-『期末繰越商品』。
修繕費建物や車などの固定資産にかかる修理費など。
保管費商品や製品を倉庫などに保管するのにかかる費用。
法人税等法人税などの経費で計上できない税金。

まとめ

今回は増加(発生)が借方に記録される勘定科目を見てきました。

『資産』=『貸借対照表』に反映

『費用』=『損益計算書』に反映

このポイントをしっかりと覚えていきたいですね。

また、期中の仕訳で使用する勘定科目だけではなく、決算の時だけ登場する勘定科目もあります。

それでは次回は『貸方』の勘定科目に注目していきたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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