簿記

ゼロから始める簿記勉強:勘定科目『貸方』

前回は借方に注目した勘定科目を見ていきました。

今回は貸方の勘定科目をみていきたいと思います。

増加(発生)した場合に『貸方』へ記録。

要素は『負債』『資本(純資産)』『収益』この3つです。

要素ごとの勘定科目を見ていきましょう。

負債

負債とは、分かりやすく言えば借金のような物です。

将来、お金を返さなければいけなかったり、物やサービスを提供しなければいけない『義務』のことをいいます。

『資産』=「債権」(権利)

『負債』=「債務」(義務)

このように表すことが出来ます。

これは要素と勘定科目を理解するうえでは非常に大切な考え方です。

それではどんなものがあるのか、実際に勘定科目を見ていきましょう。

負債の勘定科目一覧

勘定科目内容
支払手形自社の振り出した約束手形。
買掛金『商品の仕入代金』を後で払うときに使用。「掛けで買ったお金」
電子記録債務買掛金や手形が電子化されたもの。電子債権記録機関と通して取引が行なわれる。
未払金『商品以外の代金』を後で支払うときに使用。
未払費用まだ支払の終えていない費用。
未払配当金まだ支払の終えていない配当金。
未払法人税等まだ支払いの終えていない法人税等。
未払消費税まだ支払いの終えていない消費税。
借入金銀行や他社からの借り入れた金。
手形借入金手形によって受け取った借入金。
役員借入金自社の役員より借り入れたお金。
前受金商品や物品を提供が完了していないが、手付金として受け取っているお金。提供または返済の義務。
当座借越残高を超えて引き出された当座預金。当座借越契約による限度額まで使用可能。
預り金一時的に預かっているお金。後々支払う義務。
仮受金不明な入金を一時的に仕訳する勘定科目。判明したときに正しい勘定科目へ再仕訳を行う。
仮受消費税消費税は「消費者から預り、代わりに納付する」。企業には最終的な納付義務が発生する。
前受収益サービスを提供してはいないが受け取っている費用。一定期間分の家賃など、提供する義務。

資本(純資産)

5つの要素の中でこの『資本』というのは私たちに1番馴染みのない言葉かもしれません。

資本とは『資産』から『負債』を引いて残った『正味の財産』のことです。

一定時点におけるプラスの資産(お金や建物、債権等)から負債(支払うべき物や提供するべき物)やマイナスの資産を差し引いた残りが『資本(純資産)』ということになります。

他の要素の仕訳が出来なければ求めることが出来ないので、勘定科目自体は少ないです。

勘定科目を見ていきたいと思いますが、資本を出すのに必要な『マイナスの資産(評価勘定)』もここで見ていきます。

資本(純資産)の勘定科目一覧

勘定科目内容
資本金会社設立時や、増資時に株式を発行して資金調達をおこなったときに使用。
利益準備金債権者を保護するために強制的に積み立てられた留保利益。
繰越利益剰余金利益準備金や任意積立金以外の利益剰余金。財務諸表(貸借対照表)に記載される。

マイナスの資産(評価勘定)の勘定項目一覧

勘定科目内容
貸倒引当金得意先の倒産などにより売掛金の回収が出来ないことを見積もって割り当てるお金。
減価償却累計額減価償却によって減らした資産の合計額。

収益

収益とは商品や物品などを得た収入のことです。

売上高と言えば分かりやすいかもしれません。

それでは収益の勘定科目を見ていきましょう。

収益の勘定科目一覧

勘定科目内容
売上『商品』を売却して得た収入。
受取家賃家賃の受取による収入。
受取地代土地代の受取による収入。
受取手数料手数料の受取による収入。
受取利息利息の受取による収入。
固定資産売却益固定資産の売却によって得た『利益』
償却債権取立益取引先の倒産等で取り消した債権が回収できた時に使用。
貸倒引当金戻入決算事に貸倒引当金の見直しにより貸倒引当金を取り崩したお金。
雑益決算事に不明な現金過不足の『貸方残高』実際の現金>帳簿の残高。
商品売却益商品売買を分記法で記録した時に使用する商品売却事の利益のこと。

まとめ

今回は増加(発生)が貸方に記録される勘定科目を見てきました。

『負債』『資本(純利益)』=『貸借対照表』に反映

『収益』=『損益計算書』に反映

それぞれの要素と勘定科目をしっかりと覚えなければ

最終の財務諸表の作成は不可能になってしまいます。

一に仕訳、二に仕訳

とにかく正しく仕訳を行うことが何よりも簿記にとって大切なのです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

勘定科目を覚えればあとは仕訳をどんどん練習するのみです!

⇦『借方』