読書

めんどくさいがなくなる本:人間関係編

「めんどくさいがなくなる本」著者 鶴田豊和  フォレスト出版

前回は主に行動に関する「めんどくさい」をなくす方法を紹介させていただきました。
今回は誰もが感じる事のある人間関係のめんどくさいについて紹介してきます。

めんどくさい人間関係とは

  • こちらの要求を満たすために、根回しなどのプロセスを踏まなければいけないとき
  • 仕事で人に頼み事をしないといけないとき
  • 仕事の後の飲み会に出席しなければいけないとき
  • 何かを話したときに、相手から受け入れられないとき
  • 相手からいろんなことを要求されたり、自分が嫌なことをさせられるとき
  • 自分の言うことを相手が聞いてくれないとき

対人関係において自分が「ありのままでいられない感覚」を覚えた時にめんどくさいという感情が湧いてきます。相手に合わせようとして自分がなんとなく無理をしている感じがあったり、相手から嫌われない様にと何かの役割を演じている時など対人関係がめんどくさいと感じる瞬間は消して少なくないのです。人と一緒にいる時は、相手と自分の価値観が違う事が原因で知らぬ間にストレスを感じているのです。

人間関係を考える大切な考え方の一つに「ルール」があります。
ここでいう

ルール」とは「〜べきだ」「〜べきでない」という無意識の思い込みです。

このルールを理解する事、上手く付き合う事が必要です。

ありのままの自分でいられる2つの方法

人間関係のめんどくさいを解消するありのままでいられる方法を順番に紹介します。

1.ありのままの自分でいられる環境に身を置く

ありのままの自分でいられる環境とは一体どんな環境でしょうか?
それは「自分が多数派に属している環境」です。逆に自分が少数派に属している場合は相手に合わせないといけない事が必然的に増える事になり、自分のルールが破られる確率が上がってしまいます。人間は自分のルールが破られた時に苦しくなり、ルールが破られると自分の心に蓋をしてしまうことによりストレスが溜まってしまいます。それを防ぐためにも自分が多数派に所属する事が大切です。会社、家庭、趣味など様々なコミュニティがありますが最低1つは「自分が多数派に所属している環境」に所属する事で「自分はこの世にいて良い」「自分には存在価値がある」という感覚を得る事ができます。

2.どんな状況でも、ありのままの自分でいられるようになる

どんな状況でもありのままの自分でいられる様にするには「自分が幸せな状態でいる事」が大切です。自分自身が充実していて幸せな状態でいられる時と、自分が何かに対して不安を抱いている時、同じ出来事が起こったとしても自分自身の身体や精神の状態によって物事の捉え方が変わってきます。つまりありのままの自分でいられる為には「自分が幸せな状態でいる事」が大切なのです。

幸せとは?

自分が幸せな状態である事が大切な事は分かりました。
しかし、幸せとは非常に漠然としている言葉です。幸せとなんなのか?どうしたら幸せになれるのか?

相手に期待しない事

  • 相手に期待する=「減点方式」
    相手に期待をすればするだけその期待を裏切られた時には相手に対して「減点方式」で考えてしまいます。つまり相手にたいて幻滅や怒りをという感情を生み出しやすくなります。
  • 相手に期待しない=「加点方式」
    相手に期待をしていない場合、相手が何かをやってくれた時には「加点方式」で捉える事ができます。自分が相手に勝手な期待をしない事で人間関係がより楽になります。

相手への「期待」を「信頼」に変える

どの様にして相手に期待しない様にすれば良いのでしょうか?

まず他人に期待するというのは、常に減点方式で他人の事を見る傲慢な考えであると知る必要があります。他人にやってもらって当たり前の様に思っている事はありませんか?それこを相手への期待であってその期待を捨てた瞬間にその相手が輝き出します。相手に期待をするのではなく、その代わりに「信頼」する事が大切なのです。そうすれば「減点方式」から「加点方式」へと捉え方が変わっていくのです。

自分にとって「幸せ」を明確にする

「幸せ」と聞いて自分の幸せがいったい何であるかハッキリと答えられる人は少ないのではないでしょうか?それは私達が自分にとって何が幸せであるか明確にしていないかなのです。「目標」をしっかりと持ちなさい!と子供の頃から私達は教わってきました。しかし目標というのは「幸せ」を得る為の物である事を忘れてはいけません。なぜ目標を立てるのか?それは自分にとって良い影響がある、自分が幸せになる為なのです。だからこそ自分にとって「幸せ」とは何なのかを明確にさせる必要があります。それが明確になった時その幸せが手に入ったかどうかが判断できるのです。

「幸せ」の4つの種類

幸せには4つの種類があります。それを順番に見ていきましょう。

1.ポジティブな動的感情

これは私達が一番身近に感じる事のできる「楽しい」「うれしい」「おいしい」「ワクワク」「興奮」といった感情です。好きなゲームをやって楽しい!ラーメンを食べておいしい!など非常に幸せと感じやすいのですが、この動的感情は瞬間的なもので慣れてしまうと幸せを感じにくくなってしまうのです。おいしい物でも同じ物を食べ続ければ飽きてしまう。もっとおいしい物を食べたいと思う。幸せを感じる為のハードルが上がってしまい、不幸せになる為のハードルが下がってしまいます。物質的にある程度満たされた社会になればなるほど、物質で幸せを満たす事が難しくなってしまうのです。

2.フロー状態

フロー状態とは何かに夢中になっている状態、無心になりあっという間に時間が経ってしまっている状態です。自分の好きな事に没頭している時に体感した事がある人もいるのではないでしょうか。このフロー状態には8個の構成要素があると言われています。

  1. 明確な目的(予想と法則が認識できる)
  2. 専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中
  3. 自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合
  4. 時間感覚のゆがみ
  5. 活動の過程における成功と失敗が明確で行動が必要に応じて調整される
  6. 能力の水準と難易度とのバランス
  7. 状況や活動を自分で制御している感覚
  8. 活動に本質的な価値がある。だから活動が苦にならない

この中で注意すべきなのは⑥の能力と水準のバランスです。
自分の能力よりも低い難易度、簡単すぎる事ではなく、自分の能力と釣り合う、もしくは少し上の難易度を選択する事が必要です。

自分の行っていることに、意味や意義を感じている

自分は人生の目的に沿った生き方をしているという感覚、自分が行っている事が自分の人生にとって有意義であると感じる事、主体性をもって自ら進んで行う事が大切です。

ポジティブな静的感情

これは心の平安、心の穏やかな状態の事です。「理由なき幸せ」とまで言われています。

幸せになる為の重要ポイント

幸せの4つの種類をふまえ幸せになる為の重要なポイントはまず、「ポジティブな静的感情」を土台として今、目の前にある幸せを味わう事こそが幸せになる為には大切です。食事をしている時は目の前の食事を味わう。人といるときはその人と一緒に過ごしている時間を味わう。他のことを考えるのをやめて、目の前の感覚に集中しましょう。目の前の感覚に集中する事でネガティブな思考から解放され、心の穏やかな状態になります。

相手に関係なく、自分が幸せでいられる6つの方法

1.感謝を味わう

心からありがたさを感じる事、「ありがとう」と言うことよりもそのありがたさを心から感じているかが大切。
人は感謝を忘れがちな生物です。最初はありがとうと思っていてもいつの間にかそれが当たり前になってしまうことは多いはずです。「当たり前のこと」に感謝をする。心から幸せな人はいつでも感謝をしています。

2.幸せをかみしめる

人間は「今この瞬間」について考える事ができません。考える時は常に過去か未来のことについて考えています。しかもその大半が不安だったりネガティブなことばかりです。何かをしている時は、やっていることに集中しましょう。食事をしている時は食事に、景色を見ている時は景色に、人と過ごす時は目の前の相手に、今やっていることに集中していない時は頭の中で何かを考えてしまっています。目の前のことに集中する事でいつの間にかネガティブな考えが浮かんでくる事を減らす事ができます。

3.最近良かったことを意識する

人間はネガティブな事の方が記憶に残り易い生き物です。ポジティブな記憶よりもネガティブな記憶の方がはるかに記憶に残りやすくなっています。だからこそ良かった事を意識して思い出していく習慣を身につける事が大切です。なにも意識しなければ漠然とした不安やネガティブな感情がおおってしまいます。良かった事に意識を向けてポジティブな記憶を増やしていきましょう。

4.パッションを生きる

パッション(情熱)を生きると言う事は「今すぐ幸せになること」+「ビジョン」です。自分が情熱を注ぐ事はワクワクの連続です。例えば車好きな人は、自分の愛車を探す時その過程までもワクワクしています。つまり自分のビジョンを実現する為の過程までも幸せに感じるのです。そしてパッションを生きると言う事は自分のビジョンを実現するのに必要な情報やチャンスも自然と集まってくるのです。

5.何も考えない時間を増やす

人間は考える事の多くがネガティブな事です。「ネガティビティ・バイアス」という言葉の通り、ネガティブな事の方が記憶には残りやすいもでもあります。「考える=ネガティブ=苦しい」という構図が出来上がってしまいます。その為に何も考えない時間を増やすのです。もちろん自ら考えて行動して行く「意識的な思考」は大切です。そうではない「何となくの思考」をできる限り減らす事が幸せになる為には必要です。「考えない力」自分の体感覚に意識を集中させて考えない力を磨いていきましょう。

6.フローを体験する

先ほど紹介した「フロー状態」この状態を体験する事も幸せを感じる大切な要素です。自分にとって価値のある事を行うこと、時間の感覚がなくなるまで何かに夢中になる。こんな誰もネガティブな事など考えていないのです。おおきな充実感や達成感を与えてくれるはずです。

苦手な人に上手く対応するには

大前提として嫌いな人がいるとき、自分も相手も悪くないと言う事を覚えておきましょう。人が誰かを嫌いになるのは、相手に不快感を覚えるからであって自分か相手のどちらかが悪いと言うわけではありません。単にルールが上手くいっていないだけなのです。ルールがなければ何も思わない、自分を苦しめるルールは手放す。ルールが減れば人間関係も楽になります。


嫌いな人が気にならなくなる方法

1.自分のルールを自覚する

まずは、自分の嫌なところとダメな部分を書き出してみましょう。自分の嫌なところは自分が何らかのルールを破っている可能性があるのです。
次に他者の嫌なところとダメな部分を書き出します。これは心理学の「シャドウ」という考え方で、他者のダメな部分と嫌な部分は自分も持っているからです。誰もが常に無意識で自分のルールにしたがって人を裁いているのです。

2.そのルールを考えているときの感情を味わう

ストレスを溜めないようにするには、ネガティブな感情を感じた時に、それをじっくり感じることが大切です。自分の怒りがいつの間にかおさまっていたという経験は誰でもあると思います。人の感情は役割を終えると去っていくのです。ネガティブな感情がわいてしまった時にはその感情と向き合いましょう。

3.そのルールを手放した方がいいか自問する

ルールには手放さない方が良いケースもあります。そのルールが自分の中で作られた時、その過去の時点で少なくともそのルールは自分の役にたっているかです。今の自分にとって本当に手放して良いルールかどうかを自問してみましょう。

4.そのルールをいろんな角度から見直す

そのルールのすばらしさに気付くこと、自分の嫌な部分が実は自分の役に立ってきたという事に気づくことも大切です。人間の「意識」「潜在意識」両方共自分にとってプラスになる事しかしないのです。少なくともそのルールが作られた時点では自分にとってプラスだったという事を理解してルールと向き合い、色々な角度からそのルールを見つめ直してみましょう。

5.ルールの方が私を手放してくれる

①~④までのステップを踏むことでルールの方から自分を手放してくれます。ルールを自分から手放そうというのはとても難しい事です。ですが自分と向き合い、その中で自分を作ってきたルールと向き合う事でルールの方から自分を手放してくれるようになります。

まとめ

今回は人間関係編という事でご紹介させていただきました。自分自身この本と出会った事で「めんどくさい」という気持ちとの向き合い方を勉強させていただきました。この本を多くの人が読んで自分自身と向き合うきっかけになれば良いと思いました。興味のある人はぜひ手にとってみてください!

行動編もぜひ見てみてください!